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遺言書作成、若年層も 20・30代が亡き後案じ一筆(河北新報)

 東北の公証役場で遺言書を作成する20代、30代の姿が見られるようになった。件数はまだ少ないが、離婚や海外赴任を機に考える人が目立ち、若くして経済的に成功した人からの依頼もあるという。離婚の増加や職業の多様化など社会環境が変化。社会が不安定さが増す中、若年世代が将来を案じる傾向も出ているようだ。

 山形公証役場(山形市)では昨年、20代の男性が遺言公正証書の作成を依頼。離婚した元妻との子に相続権があるが、男性は実母への財産分与を望んでいた。ロッククライミングなど冒険家の仕事をしている30代男性は「万が一に備えたい」と遺言書を作った。
 仙台一番町公証役場(仙台市)でも昨年、30代男性から遺言書の依頼があった。同世代としてはかなりの高収入で、財産を「妻にきちんと残したい」と思い立ったという。花巻公証役場(花巻市)は一昨年、海外に赴任する30代男性から依頼を受けた。
 「遺言に関する講演会で若い人の姿を見かけるようになった」と八戸公証役場(八戸市)。関心は世代を超えて高まっているようで、弘前公証役場(弘前市)では「遺言書の作成件数は10年前の約1.5倍になった」という。
 全国の公証人らでつくる日本公証人連合会(本部東京)によると、若い人も海外旅行前などに遺言書を作成する例が増えている。
 東北では依然として60代以上からの依頼が大半を占め、若年世代では「病気で余命が短い」「離婚した元妻の子にすべてを相続させたくない」といった特別な事情を抱えた人が公証役場を訪れるケースが多い。
 公証人らは「海外に比べ、日本人はまだ遺言に対する意識が希薄」と口をそろえるが、変化の兆しも感じ取っている。米沢公証役場(米沢市)は「個人の権利意識の高まりなどを背景に、若年世代の遺言は今後も増えるのではないか」とみている。


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